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渡部 雅; 中村 博樹; 鈴木 紀一; 町田 昌彦; 加藤 正人
Journal of the American Ceramic Society, 105(3), p.2248 - 2257, 2022/03
被引用回数:1 パーセンタイル:6.56(Materials Science, Ceramics)CeOのバンドギャップ,フレンケル欠陥生成エネルギー及び欠陥移動エネルギーを決定するため、DFTシュミュレーションによる評価を行った。バンドギャップ及びフレンケル欠陥生成エネルギーは欠陥平衡を解析するために使用した。欠陥平衡の酸素分圧依存性は酸素ポテンシャルの実験データとDFT計算に基づいて評価し、Brouwer図を導出した。フレンケル欠陥、電子-正孔対等の欠陥形成エネルギーを決定し、酸素拡散係数,電気伝導率,比熱容量及び熱伝導率の評価に用いた。これらの物性値のメカニズムについての理解を深めるため欠陥化学に基づく議論を行い、物性値の関係を系統的に記述した。
伊藤 裕人*; 塩津 弘之; 田中 洋一*; 西原 慧径*; 杉山 智之; 丸山 結
JAEA-Data/Code 2018-012, 42 Pages, 2018/10
原子力施設事故時において施設内を移行する核分裂生成物(FP)の化学組成は、比較的遅い反応の影響を受けることにより化学平衡を仮定して評価した組成とは異なる場合が想定される。そのため、反応速度を考慮した化学組成評価が求められる。一方で、原子力施設事故時の複雑な反応に関する反応速度の知見は現状では限られており、実機解析に適用できるデータベースの構築に至っていない。そこで、FP化学組成評価における反応速度による不確かさの低減のため、化学平衡論及び反応速度論の部分混合モデルに基づく化学組成評価コードCHEMKEqを開発した。このモデルは、系全体の質量保存則の下、前駆平衡と見なせる化学種を化学平衡論モデルにより評価し、その後の比較的遅い反応を反応速度論モデルにより解くものである。さらにCHEMKEqは、本混合モデルに加え一般的な化学平衡論モデル及び反応速度論モデルが使用可能であり、かつ、それらモデル計算に必要なデータベースを外部ファイル形式とすることで汎用性の高い化学組成評価コードとなっている。本報は、CHEMKEqコードの使用手引書であり、モデル, 解法, コードの構成とその計算例を記す。また付録には、CHEMKEqコードを使用する上で必要な情報をまとめる。
松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*
Physics of Plasmas, 25(2), p.022510_1 - 022510_10, 2018/02
被引用回数:17 パーセンタイル:74.38(Physics, Fluids & Plasmas)プラズマ輸送シミュレーションにおいて、ジャイロ運動論方程式をスケール分離を仮定せずプラズマ全体について第一原理に基づいて解く大域的full-fシミュレーション手法が注目されている。本研究では、複雑な3次元磁場形状をもつステラレータ型プラズマを大域的full-fジャイロ運動論シミュレーションコードであるGT5Dに適用するため、GT5Dの差分計算手法の拡張、及び3次元磁場平衡構築コードVMECとのインターフェースの開発を行った。開発したコード群の妥当性検証を目的として輸送に関する標準的なベンチマーク計算を行った。その結果、GT5Dが局所理論解析モデルや他の大域的新古典輸送コードの結果とよく一致することを示した。
中島 邦久; 高井 俊秀; 古川 智弘; 逢坂 正彦
Journal of Nuclear Materials, 491, p.183 - 189, 2017/08
被引用回数:8 パーセンタイル:60.93(Materials Science, Multidisciplinary)軽水炉のシビアアクシデント時、ボロンの影響を考慮した熱力学平衡計算によれば、燃料から放出されるCsの気相中での主な化学形の一つとして、CsBO(g)が生成すると予想されている。しかし、核燃料や核分裂生成物などの熱力学データを収めた編纂物によれば、これまで報告されているCsBOの蒸気圧データの不確かさのために、この解析に使用されたCsBO(g)の熱力学データの信頼性は乏しいと評価されている。そのため、信頼性の高いCsBO(g)の熱力学データを得ることを目的に、高温質量分析法によるCsBOの平衡蒸気圧測定を試みた。その結果、CsBOの平衡蒸気圧測定データを用いて、第二法則,第三法則処理により評価した気体CsBOの標準生成エンタルピーH(CsBO,g)は、それぞれ、-700.710.7kJ/mol, -697.010.6kJ/molとなり、過去に報告されている蒸気圧データを用いて得られた第二法則,第三法則処理によるH(CsBO,g)の差異よりも小さくなったことから、これまでよりも信頼性の高い熱力学データを取得できたことが分かった。さらに、既存のH(CsBO,g)についても、本研究で得られたH(CsBO,g)の値と誤差の範囲で一致したことから、信頼性が高いことが分かった。
小林 孝徳; 横山 啓一
Journal of Nuclear Science and Technology, 53(10), p.1489 - 1493, 2016/10
被引用回数:6 パーセンタイル:49.05(Nuclear Science & Technology)セシウム原子(Cs), ヨウ化セシウム分子(CsI), ヨウ素原子(I), セシウムカチオン(Cs)、そしてヨウ素アニオン(I)のCフラーレン表面への吸着についての理論計算を行った。計算はCAM-B3LYP混合密度汎関数法で行った。吸着エネルギーはCs, CsI, I, Cs, Iでそれぞれ34, 3, 2, 11, 12kcal molと計算された。Cs原子の吸着平衡定数は、1000Kにおいて710 atmと計算された。これはCsIのそれと比較して10倍もの数字である。これは、CはCsIを吸着せずに、Csを選択的に吸着することができる可能性があることが示唆された結果である。
Walker, C.; 須藤 俊吉; 小田 治恵; 三原 守弘; 本田 明
Cement and Concrete Research, 79, p.1 - 30, 2016/01
被引用回数:69 パーセンタイル:90.42(Construction & Building Technology)セメント系材料の変質挙動を定量的に予測するためには、カルシウムシリケート水和物ゲル(C-S-H)の溶解挙動をモデル化することが重要である。本研究では、C-S-Hゲルの溶解データの実験値について、既往の文献値とCa/Si比0.20.83における新規データとを収集・抽出した。これらのデータを用いて、水溶液中における二組の二元系非理想固溶体(SSAS)とみなし、離散的なCa/Si比を有する固相(DSP)として設定したC-S-Hゲルの溶解モデルを構築した。本研究で構築したDSP型のC-S-Hゲルの溶解モデルの特長は、Ca/Si比2.70でのC-S-Hゲルの溶解データ(pH値、Ca濃度及びSi濃度)の再現性が良好であること、Ca/Si比1.65以上ではポルトランダイトを含むこと、Ca/Si比0.85での調和溶解を再現すること、Ca/Si比0.55以下でアモルファスシリカを含むことである。Ca/Si比0.55以下でアモルファスシリカを含むことは、本研究におけるIR分析によって確認された。
栗原 研一; 板垣 正文*; 宮田 良明; 中村 一男*; 浦野 創
プラズマ・核融合学会誌, 91(1), p.10 - 47, 2015/01
磁場閉じ込め方式におけるプラズマ位置形状の実時間制御及び平衡状態の診断は、MHD不安定性等によるプラズマの急激な変化に素早く対応し、適切な位置及び形状を維持した安全な運転やダイバータ部におけるストライクポイントの適切な制御、さらには電子サイクロトロン加熱等の共鳴位置を正確に定めるために非常に重要な課題である。コーシー条件面(CCS)を用いた境界積分方程式の解析解に基礎を置く解法(=「コーシー条件面法」。以降、CCS法と略す。)は、コイル電流、磁気センサー信号から直接位置形状を高速かつ高精度で導出する画期的な制御手法として注目を集めている。特に近年ではトカマクだけでなく、ヘリカル、逆転磁場ピンチ、球状トカマクでの応用例が示され、磁場閉じ込め核融合分野において幅広く応用されている。そこでまず、プラズマ位置形状同定の重要性とそのための逆問題としてのCCS法について、理論的背景、従来の方法との違い、利点について具体例を示しながら概説する。次に、各閉じ込め方式におけるプラズマ位置形状同定の応用例を紹介し、最後に、CCS法に関連するプラズマ位置形状同定における今後の課題を述べる。
前田 敏克; 馬場 恒孝*; 水野 大*; 寺門 正吾; 喜多川 勇; 沼田 正美
廃棄物学会論文誌, 17(4), p.271 - 281, 2006/07
シリコン,カルシウム及びアルミニウムを主成分とするスラグ試料を用いて、セメント平衡水中における静的浸出試験を90Cで行い、スラグの溶解挙動を調べた。セメント平衡水中では溶液のアルカリ性のため、脱イオン水中に比べてスラグの溶解量が増大することがわかった。また、スラグ表面には溶解に伴いケイ酸カルシウム水和物(C-S-H)を成分とする二次相の生成が認められ、C-S-Hが生成する期間中は同じpHのアルカリ溶液中に比べてスラグの溶解が抑制される効果がみられた。
Sherrill, M. E.*; Abdallah, J. Jr.*; Csanak, G.*; Dodd, E. S.*; 福田 祐仁; 赤羽 温; 青山 誠; 井上 典洋*; 上田 英樹*; 山川 考一; et al.
Physical Review E, 73(6), p.066404_1 - 066404_6, 2006/06
被引用回数:29 パーセンタイル:75.57(Physics, Fluids & Plasmas)電子と原子のキネティクスを連立して解くモデルを用いて、極短パルスレーザー照射Arクラスターから発生したK殼X線スペクトル(He線)の解析を行った。このモデルでは、非平衡電子エネルギー分布関数はPICコードを用いて生成したものを用いた。その結果、X線は極めて非平衡な状態にある高密度プラズマから発生しており、その時間スケールは約5.7psであることがわかった。また、さらに固体密度に近い10cmを超えるイオン密度のクラスタープラズマの生成が可能となった場合には、X線発生のタイムスケールはフェムト秒となることが明らかとなった。
向井 雅之; 田中 忠夫; 湯川 和彦; Suryantoro*
原子力バックエンド研究, 12(1-2), p.41 - 51, 2006/03
地下水中におけるコロイド共存下での放射性核種の移行を評価するため、計算コードを作成した。ラテックスコロイドを海岸砂及び赤色土カラムへ流入する実験を行い、流出曲線に対する4種類の多孔質媒体中コロイド移行モデル(瞬時平衡反応モデル,1次反応速度モデル,ろ過モデル,付着容量に制限を設けた1次反応速度モデル)の適用性を検討した。海岸砂からの流出曲線は、瞬時平衡反応モデルでは破過のタイミングと相対濃度1への到達速度とを同時に表すことが困難である一方、ブロッキング現象を模擬したモデルの1つである1次反応速度モデルでは流出曲線を良好に再現できた。赤色土からの流出曲線には、コロイドを繰り返し流入させたことに対応してコロイド流出濃度が階段状に高くなる特徴的な挙動が観察された。可逆的な瞬時平衡反応モデル及び1次反応速度モデルではこの挙動を表すことができなかった。しかしながら、ろ過に非可逆的な容量制限を設けた1次反応速度モデルにより特徴的な流出曲線を再現可能であった。天然バリア中の核種移行に及ぼすコロイドの影響を評価するモデルの基盤となるコロイド単体の移行モデルが実験結果に基づいて確証できた。
佐藤 正泰; 櫻井 真治; 西尾 敏; 飛田 健次; 井上 多加志; 中村 幸治; 新谷 吉郎*; 藤枝 浩文*; 発電実証プラント検討チーム
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1277 - 1284, 2006/02
被引用回数:14 パーセンタイル:68.04(Nuclear Science & Technology)核融合出力3GWを確保する高い経済性を有するトカマク炉発電実証プラントの設計を行っている。中心ソレノイド(CS)コイルがない又は小さい場合は、炉の小型化と軽量化に大きなインパクトがある。一方高密度領域での高閉じ込め性能の確保と巨大ELMを抑制する必要から、高い三角度を必要とされる可能性がある。CSコイルの役割を電流立ち上げとプラズマ形状制御に限定して、CSの大きさに応じた3ケースについて、システムコードを用いてプラントのパラメータを選択した。熱流束のスケーリングを用いてダイバータに対する要請を求めた。CSコイルが無い場合は、最もコンパクトな炉であるが、巨大ELMを抑制するには不十分な低い三角度しか得られない。CSの役割を形状制御に限定した炉については、巨大ELM抑制に必要と考えられる三角度が得られ、磁力線の小ポロイダル入射角と長い脚長で、ダイバータの熱のハンドリングが可能である。CSの役割を電流立ち上げと形状制御を有する炉についても、巨大ELM抑制に必要と考えられる三角度が得られ、磁力線のフラックス拡大と長い脚長で、ダイバータの熱のハンドリングが可能である。また、運転シナリオについて検討し、HHファクター,グリーンワルド密度,シャインスルーの条件が運転シナリオに強い制限を与えている。
朝日 義郎; 鈴土 知明; 石川 信行; 中塚 亨
Nuclear Science and Engineering, 152(2), p.219 - 235, 2006/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)BWRタービントリップの実験をTHYDE-NEUコードを用いて解析した。プラントは(コンデンサを含む)閉ループとして扱った(このような解析例は著者は他には知らない)。このためには湿分分離器モデルとジャンクションでの流路面積変化による可逆圧変化を考慮に入れることが必要である。反応度概念を用いない3次元動特性モデルを使用した。THYDE-NEUはこの体系の熱水力結合の零過渡解析ができることを確認した。本実験での3次元動特性に影響を与える諸因子の中にはバイパス弁開度の時間変化,気液非平衡モデル,断面積のテーブル内挿で使う冷却材密度の表現法がある。これらを調整すれば炉平均LPRM値が0.63sでスクラム信号発生の設定値に達するという実験条件を満足させることができることがわかった。他の計算結果も実験結果とよく一致した。
栗原 研一; 川俣 陽一; 末岡 通治; 細山 博己*; 米川 出; 鈴木 隆博; 及川 聡洋; 井手 俊介; JT-60チーム
Fusion Engineering and Design, 74(1-4), p.527 - 536, 2005/11
被引用回数:11 パーセンタイル:59.86(Nuclear Science & Technology)トカマク型核融合研究は、実験炉ITERを国際協力で製作する段階へと一歩踏み出そうとしている中で、JT-60を含む既存のトカマク装置は、さらなる先進的運転シナリオを求めて実験探究することが期待されている。そのようなシナリオをJT-60のプラズマ実験で検証するために、プラズマ平衡状態を把握する基本的な方法群を、ITERへの応用も視野にいれつつ開発して来ている。一部は既に完成しているが、以下の課題も残っている。すなわち、(1)実時間かつ高精度でプラズマ断面全体像を再構築する機能(プラズマ全電流や磁気軸なども含む)。(2)構造物に流れる渦電流も考慮する機能。(3)断面内のプラズマ電流分布も実時間で制度よく再構築する機能。(4)DT燃焼時には、プラズマ近傍には耐放射線性に優れたピックアップコイルセンサーを設置し信号積分して磁場に変換する。同時に遠方には耐放射線性に劣る絶対磁場計測センサーを配置し、遠方定常センサーで近傍センサー用積分器を時折補正することになるが、その補正演算機能。以上4項目である。シンポジウムでは、これらの方法をJT-60における実験結果やITER体系での計算とともに示す。また、それらの議論に基づき、ITERや核融合発電実証プラントにおけるプラズマ平衡制御の未来像についての予想を試みる。
町田 昌彦; 小山 富男*; 加藤 勝*; 石田 武和*
Physica C, 426-431(1), p.169 - 173, 2005/10
最近発見されたMgB超伝導体は、主要構成元素としてB(ボロン)を含むため、中性子をよく吸収するため、超伝導の熱に対する鋭敏な特性を利用した中性子検出器の開発が期待されている。本講演では、この中性子検出過程を直接数値シミュレーションし、検出可能となる条件を明らかにする。特に、重要なファクターとして時空間分解能について直接数値シミュレーションから得られた結果を報告する。
久保 真治; 吉田 光徳; 桜井 誠*; 田中 耕太郎*; 宮下 礼子*
分離技術, 35(3), p.148 - 152, 2005/05
熱化学水素製造法は、複数の化学反応を組合せることによって、直接熱分解に要求される数千度という高温より低い温度レベルの熱エネルギーを用いて、水を分解しようとするものである。近年の燃料電池技術の急速な進展に伴って、原子力エネルギーを熱源とした熱化学水素製造法は、二酸化炭素を排出することなく大量の水素需要に応えることのできる水素製造技術として注目されるようになった。本稿では、熱化学水素製造法の中で有望と考えられているISプロセスについて、プロセスに用いられる分離,液液相分離のモデル化,ヨウ化水素の濃縮分離に関する問題点について述べる。
渡邉 雅之; Mirvaliev, R.*; 館盛 勝一; 竹下 健二*; 中野 義夫*; 森川 公私*; 近沢 孝弘*; 森 良平*
Solvent Extraction and Ion Exchange, 22(3), p.377 - 390, 2004/06
被引用回数:33 パーセンタイル:65.71(Chemistry, Multidisciplinary)TPEN(N,N,N',N'-tetrakis(2-methylpyridyl)-ethylenediamine)とD2EHPA(di(2-ethylhexyl)phosphoric acid)を用い、オクタノールを有機相とすることでマクロ量の3価ランタノイドから3価アクチノイドを選択的に協同抽出できることを示した。見かけ上の分離係数(Am(III)の分配比のEu(III)の分配比に対する比)は、80程度を示し、先にJensenらにより報告された錯生成度定数の差からの予測値とよく一致した。この選択的分離には、抽出剤のモル比が重要で、D2EHPA:TPEN=2:1のとき最も選択性が良いことを明らかにした。この協同抽出機構を明らかにするため、オクタノール中でTPEN単独系、及びTPENとD2EHPA共存系について吸光光度滴定を行い、Ln(III)と抽出剤との錯生成平衡を解析した。その結果、TPENはEu(III)に1分子配位した錯体[Eu(TPEN)]を生成し、さらにD2EHPAは[Eu(TPEN)]に2分子配位すること,オクタノール中でTPEN-D2EHPA及びEu(III)の混合配位子錯体はかなり安定に存在することなどを明らかにした。また、D2EHPAとTPENはオクタノール中で2:1のモル比で会合しており、このことも協同抽出において重要な要因であることを見いだした。
榊原 悟*; 栗原 研一
プラズマ・核融合学会誌, 80(5), p.364 - 371, 2004/05
磁場閉じ込めプラズマ核融合装置における磁気計測の最近の進展について解説する。長時間あるいは定常運転におけるプラズマ制御や平衡物理量評価に向けた検討が進む中で、長時間積分器の開発が一つの重要な課題となっている。また、核融合中性子の重照射環境下においても耐久性のある磁気センサー開発も同様に重要な課題である。本解説では、これら長時間積分器及び磁気センサーについて現状を概観する。
鈴木 隆博; 及川 聡洋; 諫山 明彦; 藤田 隆明
プラズマ・核融合学会誌, 80(5), p.362 - 363, 2004/05
電子サイクロトロン波電流駆動(ECCD)による駆動電流を評価するために開発した解析手法を新古典テアリングモード(NTM)の発生した放電に適用した。本手法はモーショナルシュタルク効果計測を利用してプラズマ電流密度分布の空間的・時間的変化を直接評価する。NTMによる磁気島発生位置に、NTMの発生時刻と同期してプラズマ電流の局所的な減少を観測した。NTMの磁気島の大きさと関係する磁場揺動の大きさが増大するにしたがって、電流の減少が大きくなった。電流の減少は磁気島内の圧力の平坦化に伴う自発電流の減少と考えられる。また、ECCDを磁気島内で行うことによって局所的に減少した電流を補いNTMを安定化した放電において、磁場揺動強度の減少にしたがって局所的な電流の増加を観測した。平衡再構築による手法では困難と考えられたポロイダル/トロイダルモード数が3/2といった小さな磁気島の発生に伴う電流分布の空間・時間的な変化を明確に評価した初めての成果である。
渡邉 雅之; 南川 卓也*; 山田 鉄兵*; 木村 貴海; 並木 康祐*; 村田 昌樹*; 西原 寛*; 館盛 勝一
Inorganic Chemistry, 42(22), p.6977 - 6979, 2003/11
被引用回数:34 パーセンタイル:75.23(Chemistry, Inorganic & Nuclear)トリス(2-ピリジル)カルビノールとよばれる三脚状の配位子は、金属間距離が非常に短いランタノイド二核錯体を形成することを明らかにした。通常この配位子は三座配位子として働くが、本研究では頭頂部にある酸素ドナーをうまく架橋配位させることで、二核錯体を形成させることが可能となることを見いだした。合成されたEu(III)とTb(III)の錯体では、配位子から金属中心にエネルギー移動を起こすため、強い発光をしめすことが確認された。
鈴木 英哉*; 長縄 弘親; 館盛 勝一
Solvent Extraction and Ion Exchange, 21(4), p.527 - 546, 2003/03
被引用回数:12 パーセンタイル:45.01(Chemistry, Multidisciplinary)陰イオン性界面活性剤である、Aerosol OT(AOT)と、分子性抽出剤である、かさ高なジアミドとを組合せることによって、硝酸水溶液からヘキサンへのユウロピウムの抽出に対し、非常に大きな効果が現れることがわかった。これは、有機相であるヘキサン中にW/Oマイクロエマルションが生成したことに起因する。このW/Oマイクロエマルション中には、AOTの負電荷と疎水基に囲まれた特殊な微小液滴が存在し、静電相互作用と疎水相互作用に基づいて、陽電荷を持ち、なおかつ疎水基を持った化学種が濃縮されやすい「場」となっている。よって、金属イオンと分子性抽出剤との錯体のような両親媒性の陽イオン化学種が非常に効率よく濃縮されることになる。本研究では、W/Oマイクロエマルションの安定化や、それに伴う金属イオンの抽出に及ぼす、分子性抽出剤や電解質の役割について検討した。